吉祥寺で暮らして働くマーケッターの、本と映画と仕事の日記
「八日目の蝉」(角田光代)
最近読んだ本など。

●「八日目の蝉」(角田光代)

「対岸の彼女」が本当に傑作であったので、最新作も。これも各方面で結構評判がいい。
そこそこおもしろいが、そりゃやっぱ「対岸の彼女」だけやっぱり突出していたのだなーということがわかる。ありゃやっぱ奇跡の小説だったんである。

「八日目の蝉」は、言ってみれば、桐野夏生をもうちょっと、優しい女性らしい視点で描いたものというか、「残虐記」の心温まる版とでもいうか。
桐野夏生って、やっぱりね、なんとゆーか、グロ過ぎ。心が寒々しくなり過ぎ。いくらなんでもそりゃーねえだろう的な、ドス黒い感情だけで構成されているような、人間とか人生のダークサイドストーリーだけれども、角田光代が描くと、似たような事件の、似たような小説でも、もっとずっと、前向きで、希望のある物語になるものです。
私は甘口カレーが好きなんで、桐野夏生の50倍カレーみたいな、香辛料で真っ黒みたいな、辛さ我慢大会用の味のわかんないほどの辛さのカレーよりも、角田光代の、バーモンドカレー中辛くらいの方が好きだ。たまには、桐野夏生のブラックカレーもたまに食べる分には悪くはないが、あんなの、毎日食ってたら、人間がゆがむと思う。舌が麻痺しちゃうね。微妙な味がわかんなくなりそう。私は韓国人じゃないんで、唐辛子とか日常的に食べません。和食の繊細な味わいが好きだし、和風な木村多江の見た目が好きだし、いかにも和風な角田光代的ほのぼの感が好きだ。

でもやっぱ「対岸の彼女」がいいけどね。ホント、あれだけ、ちょっと特別だわ。なんであんなしょーもないストーリーのフツーの話が、あれだけ胸を打つのだろうか。小説ってすごいなーと思う代表的なもの。ストーリー展開は、あきらかに「八月の蝉」の方が歴然とすばらしいし、この二段構成にしたってとこなんて、マジでいいと思うんだけど、でもね、「対岸の彼女」は別なのだ。ホント。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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