吉祥寺で暮らして働くマーケッターの、本と映画と仕事の日記
好き
「アンパンマン」の中で誰が好きかって、そんなもん、百人の男が百人ともドキンちゃんと答えるであろうことだけは間違いがない。
ウソ。
少なくとも私はドキンちゃんが一番好き。

あの性悪さ加減が、実にキュート。
無意味に明るく、バイキンマンにすら横柄な態度。
責任感はカケラもなく、誰が言い出したのかとか、そういう大人のロジックはまったく無縁の世界にいる。
まさに見たマンマ「小悪魔」な女。

変な話だが、ドキンちゃんはAVに出たりとか、風俗で働いたりとかは絶対にしないタイプだ。
そういう所で働いてしまう女性は、基本的に「責任感のある女」だからだ。「借金がある」と「返さなきゃ」と思ってしまうような、ある意味常識的で真面目でいい人だ。しかも、その借金が親の借金だったり、バカな彼氏の借金だったとしても、何しろ彼女たちには「責任感」があるので、ついつい悪い業者の言われる通り、AVに出たり風俗で働いたりしてお金を返さなきゃと思ってしまう。

しかし、ドキンちゃんには、責任感というものが1ミクロンもない。1ナノミクロンもない。こういうタイプの女性は強い。倫理観が根本から違うからである。本物の小悪魔とはこうである。小悪魔の手本。
いっつも最終的な責任はバイキンマンにおっかぶせて、「じゃ、あたし先に帰るねーー」ですませてしまう。アンパンマンはそんなドキンちゃんまでアンパンチでぶっ飛ばすことはしないのもちゃんとわかってる。
なんと賢い。

ドキンちゃん的生き方をするには、もってうまれた才能が必要だ。誰もがあの生き方を許されるわけではない。あれは、ホント、ドキンちゃんのように特異なキャラクターとキュートな魅力(?)みたいなものが備わっていないといけない。普通の人が「小悪魔」になることは世界が許さない。

また、これは私、経験的に知っているが、この手の小悪魔というのは、すごく「運がいい」のも必ず共通している。大病したり大失敗したりしないのが彼女たちの特徴でもある。健康的で明るく自分自身にもんのすごく正直であり、しかも機を見るにあまりにも敏。天衣無縫というか、自分自身の内面的自然にとことん忠実であるせいか、動物的な勘が異常に発達しており、沈みそうな船は一瞬で見抜き一番先に脱出できる。
自己犠牲とか、そういう人間的な美徳は彼女たちには無縁だ。しかし、生き物すべてが持つ「生命力」のようなものは、信じられない位に強く強く輝いている。

私がドキンちゃんタイプのことを好きなのは、まさにこの「生命力」のような部分か。あまりにも心から生き生きとしている、屈折のなさというか、わかりやすさのようなもの。
チュートハンパに小賢しい言い訳などをしないのが美しいのである。
嫌らしく汚らしいのは、ショボイ知性をタテに、ぐるぐると堂々巡りに陥っているようなハンパな人間タイプであるのは間違いない。こじつけた言い訳とか、見え透いたウソとか、おためごかしの偽善とか、私はそういう薄汚れたものが反吐が出そうなくらいに嫌いなんである。